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東南アジア旅行者必見!!「TKO木下隆行のベトナムにおけるスリ被害」から学ぶリスク管理

TKOの木下さんは、転勤した友達に会うために2022年6月11日から14日までベトナムに出かけていました。
そして、6月13日(月)にホーチミンのデパートでスリの被害にあったとYouTubeにアップしてます。
被害は、現金50万円の入った220万円相当のエルメスの財布。
被害総額270万円。

私も6月、ベトナムを旅していましたので他人事とは思えませんでした。

YouTubeやYahoo!ニュースのコメント欄には、木下さんに対して「自己責任」などと心ない書き込みを見かけて、気の毒に感じています。

どれだけ気をつけても、100%被害を防ぐことなんて誰にもできません。
しかし、ポイントを押さえれば可能性を下げることはできます。

これからベトナムを旅する旅行者が木下さんと同様の被害に遭わないためにはどうするべきかについて元警察官の目線で検証してみました。

ベトナムの人混み

スリ被害の概要

木下さんは、友達に会うために3泊4日ベトナムホーチミンに滞在していました。
友達から忠告を受け、防犯対策としてお金は財布の代わりにジップロックに入れて持ち歩いていたようです。
しかし、滞在3日目にして財布をリュックの外側ポケットに入れて背負い、買い物するためにショッピングモールにでかけたのです。

財布がなくなっていることに気づいた木下さんは、ショッピングモールの防犯カメラを確認してもらったことでスリにあっていたことが判明。
休憩するために木下さんはショッピングモール内のベンチにリュックを背負ったまま腰をかけたところ、二人組の男のうち一人がリュックのチャックを開けました。
この時、財布はまだリュックのポケットに入ったまま。
木下さんはチャックが開いたリュックを背負ってベンチから立ち上がり、デパートの店員にトイレの場所について質問していたところ、今度は二人組の女が近寄ってきてリュックのポケットから財布を抜き取って立ち去りました。

犯人らは、男2人と女2人の犯行グループ。

木下さんは、4時間ほど警察の事情聴取や実況見分等に応じていたが、対応した警察官は足を組んで笑いながら電話等をしており、言葉が通じずとも取り合ってもらえていないと感じた。
それもそのはず。
事情聴取中に3回も「バイクが盗まれた」と被害を申告する人が現れ、彼らも相手にされていなかったので木下さんはベトナム警察は一つ一つの事件をまともに捜査できる状況にないと悟ったのです。

帰国後に保険金を請求をしようとしたところ、「ポリスレポート(届出受理証)の提出」を求められ、ベトナムにいる友達を通じて取り寄せようとしたもののベトナム警察に断られてしまった。
断られた理由はわからない。

木下さんは、納得されていない様子。

スリ被害を検証

判りやすいブランドを所持

スリの被害にあったのは、220万円相当のエルメスのクロコダイル財布。
かなり目立つような財布であったと想像します。

また、Supremeと大きく印字されたリュックを背負っていた。
Supremeのリュックは5万円程度。
エルメスなどのハイブランドと比較すると安いかもしれませんが、ベトナムの平均年収が30万円程度ですので十分に標的にされるブランドであることを認識する。

ブランド品は携行しないこと。
特にブランド名やブランド柄のあしらわれたものは注意。

海外旅行に不要なものを携行

盗まれた財布の中にベトナムで使うことのない「健康保険証」と「運転免許証」が入っていた。

不要なものは日本に置いていくこと。
携行する場合にはセキュリティポーチに忍ばせ、「セキュリティポーチ」は服の下に隠す。

多額の現金を所持

ベトナムの平均年収は約30万円。
目的もなく、その国の平均年収を超える現金50万円を所持していた。

携行する現金は必要最小限にとどめておくこと。
VISA, MASTER CARDなど2種類のクレジットカードを携行し、追加の現金が必要であればキャッシングサービスを利用。
帰国後すぐに返済することで負担する利息は軽減できる。

貴重品の集中管理

ベトナムに持ってきた「現金」、「クレジットカード」、「健康保険証」、「運転免許証」を一つの財布で管理していた。

貴重品は、分散して携行すること。
現金等は、セキュリティポーチ、財布、ズボンのサイドポケットなど複数箇所に分散して携行することでスリやひったくりにあった時の被害を最小限にとどめる。

リュックを使っていた

リュックを背負っているのに南京錠などで鍵をかけていない。
皮肉なことに、犯行グループの男は自身が被害にあわないようにリュックではなくボディバッグを体の前にかけている。

バッグ類は、目の届く体の前にかけること。
リュックを背負う場合には、チャックに鍵をかけること。

リュックの施錠例

届出時にポリスレポートを求めなかった

保険請求をするためのポリスレポート(届出受理証)を警察に被害を届け出た時に求めなかった。

海外で物を盗まれたり紛失して、後に保険金を請求する場合にはポリスレポートが必要となります。
ベトナムの場合、ポリスレポートは交番ではなく警察署で発行する。
木下さんは、後日現地の友達に依頼してポリスレポートを取りに行ってもらったが「断られた」と話しています。
対応した警察官の真意はわかりませんが、保険金詐欺に悪用されないようにポリスレポートは代理人ではなく被害者本人に手渡されるものと推察されます。

物を盗まれたり紛失して保険金を請求をする場合には警察に被害や遺失の届出をおこない、その場でポリスレポートの発行を求めること。

外国の警察に捜査を期待

日本警察は「国民の財産を保護」することも責務としているが、これは世界の常識ではない。

外国警察の多くは「国」わ「社会秩序」を守るための機関なので、個人にかかわる事件で犯人が捕まって被害品が戻ってくることを過度に期待しないこと。

自分の身は自分で守ることを常に意識。

その他リスク

木下さんはスリ被害にあいましたが、ホーチミンやハノイではバイク利用のひったくりも多い。
特にスマホ、カメラ、ショルダーバッグが狙われている。

ホーチミンやハノイでのひったくりリスク軽減策としては、以下のことも考慮すること。

  • 外ではスマホやカメラを極力取り出さない
  • 外でスマホを使用する場合には、周りに注意しつつ道路に背を向けて建物の壁等に向かって目立たないように使用
  • 外でスマホやカメラは長い時間取り出さない
  • 紐を短くしたボディバッグを体の前にかける

まとめ

以上、木下さんのスリ被害を元警察官の目線で検証してみました。
ベトナムの社会情勢を考慮し、リスク管理策を記載しています。
渡航する国や時期が変われば、リスクも異なりますので管理策も変わることを念頭に置いてください。

皆様が楽しい思い出を作って、ベトナムから無事帰国されることを願っています。

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